ハンス・コパーの黒い花生け c.1974 正面から見たところ 裏側から見たところ、HCの印章はのびやかですばらしいデザインです。 斜め横からみたところ 真上からみた花生けの内側 ハンス・コパーの器の中をのぞいたことがあるでしょうか。 ハンス・コパーの花生けには秘密があります。といっても内部の構造ですが。 ハンス・コパーは自分の器が使われるように、と望んでいました。 いかにも使えそうにない彫刻的な形をした作品も多いのですが、それでも 使って欲しい、という言葉通りその花生けの中には細やかな気遣いがあります。 お花をする人はすぐ気がつくと思いますが、コパーの花生けには茎をささえる ために内側にも器が作られているのです。 内部の広い花生けでは生けた花の茎が中でばらばらになってしまいます。 それを押さえるための内側の器は外側の器と一体になり、二重構造に 作られています。 また外側の器自体もカップの中にうまった状態になっています。複雑な形なので どうやってこれが作られたのか興味深いところです。
20世紀を代表する最も偉大な陶芸家として記憶されるルーシー・リーとハンス・コパー。そしてバーナード・リーチ。その作品と彼らに関わった人たちのこと、そして見聞きした展覧会のあれこれを思い浮かぶままに。ルーシー・リーとハンス・コパーの作品を愛するひとへ。