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Showing posts from November, 2009

ハンス・コパーのかたち - 砂時計形

from Bonhams catalogue Hourglass 砂時計形とよばれる作品。1960年代に数多く作っている。 プロポーションやサイズを変えて同種の作品をグループとして作り続けた。 コパーはそれを「ファミリー」とよんでいる。この砂時計形も 比較的ふくよかなもの、エレガントにほっそりと上に昇る形 釉薬が割れたように地肌の見えるもの、すっきりとスムーズな肌 マンガンの濃い茶や赤っぽい色、白い泥粧。強いて言えば 後期になるにつれてよりほっそりとしなやかになっていくようだ。 同じパーツをいくつも作っておいて組み合わせながら合接して 同じファミリーをサイズ、プロポーションを変えながら 仕上げたのではないだろうか。

ハンス・コパーのかたち - キクラデス-3

from Bonhams catalogue これはキクラデスのアロー・フォームとよばれる。 両方とも少なくとも3つのパーツをろくろ挽きしている。 コパーは75年、55才の時にALSと診断されて61才で 亡くなるがだんだん身体の自由が利かなくなってからも このキクラデスフォームを作り続けた。 晩年は片手で作り、出来上がったそのほとんどを つぶしてしまったという。見る者にはどんな基準で その作品が生き延びることを許され、許されないか わからないほどだったというが、コパーの自分に課した 高い基準に合致したものだけが存在を許されたと いうことだろう。

ハンス・コパーのかたち - キクラデス-2

from Bonhams catalogue from Phillips de Pury & Company catalogue これは両方ともキクラデスのチューブ・フォームとよばれるかたちだが 上はベースと本体の2つのパーツから構成され、下の作品はベースを 含め3つのろくろ挽きされたパーツから成る。 極細い一点でベースと接続している点では他のキクラデスフォームと 同じだが、よりシンプルにまっすぐ上に延び、上部を両面から 押して楕円にしている。 下の作品の白い水平線がアクセントになって強いインパクトを与えて いるがこれは実際にパイプ状の支柱(つく)にさして焼成した跡だ。 もちろんハンス・コパーはこれを意図して作っているだろう。

ハンス・コパーのかたち - キクラデス-1

from Bonhams HP photo from Galerie Besson HP ハンス・コパーのかたちで最も有名なのはキクラデス形だろう。 シンプルで考え抜かれた究極のかたち。時を超えた はるかな昔に作られ、掘り出されたかたち。 これ以上削ぎ落とすところのないぎりぎりのかたち。鋭く 緊張感に溢れ、見る者の目を捉えて離さない。 ブランクーシを想起させる キクラデスフォームという名前は妻のジェイン・コパーが つけた愛称だ。背の高い細い形をこのように呼び 「あのキクラデスは、、、」という言い方ですぐに ハンス・コパーにも通じたという。 キクラデスと呼ばれる形にはキクラデス・アロー・フォーム とか、キクラデス・チューブ・フォームとかいくつかの バリエーションがある。 本体は少なくとも3つのパーツに分けてろくろ挽きされ、 それを合接して焼成している。ベースと本体は焼成後に 金属の芯を通して、極めて細い一点で接着されている。

NHKアートシーンで紹介されます!

先日、NHKのアートシーンの撮影の方がハンス・コパー展 取材のために兵庫陶芸美術館に来られました。 今月15日午前9:00からの日曜美術館を ご覧になって下さい! 「アートシーン」は最後の15分にいくつかの展覧会を 紹介するプログラムです。短い時間ですが、 兵庫陶芸美術館でのハンス・コパー展の様子をご覧頂く ことができます。 ハンス・コパーの作品の魅力がきっと伝わることでしょう。 それで本物を見たくなったらどうぞ兵庫県相野の美術館まで 足をお運びください。 緩やかな山に囲まれた美術館でコパーに出会う。それから ゆっくりと美術館のレストランでランチ、というのは いかがでしょう。兵庫陶芸美術館のレストランはそれだけを (では困るけれど!)目的に来られる方もいるほど おいしいのです!! 兵庫でのハンス・コパー展はあと3週間足らずで終了します。 残り僅かですが、チケットご希望の方は下記まで ご連絡ください(チケット配布はなくなりしだい終了しますので ご了承ください。) 電話番号    03-5930-1133 ファックス番号 03-5930-3311