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『ルーシー・リー&ハンス・コパー 20世紀陶芸の静かなる革新』出版

今も陶芸界で圧倒的な人気を誇るイギリスの陶芸家ルーシー・リーとハンス・コパーに関する日本で初めての本が出版されました。

監修・編集の乾由明氏は、京都大学名誉教授であり兵庫県陶芸美術館の名誉館長で、陶芸界は言うに及ばず広く美術界で活躍の評論家です。

ここに納められたエッセイの中で乾氏は「20世紀後半、世界でもっとも傑出し、もっとも革新的なかたちの陶芸を創造した作家」ルーシー・リーとハンス・コパーについてとその作品を論じています。

乾氏はルーシー・リーとハンス・コパーに実際に会った数少ない日本人のひとりであり、二人との貴重な出会いとその印象についても触れていてファン必読の一冊と言えるでしょう。

『ルーシー・リー&ハンス・コパー 20世紀陶芸の静かなる革新』六耀社12月25日発売。乾由明監修、240ページ。掲載作品ルーシー・リー86点、ハンス・コパー69点、共作6点、定価21,000円。

ハンス・コパー、ルーシー・リー、オークションの結果

フィリップスによるスターンコレクションのオークションが終わった。スターンコレクションはハンス・コパーとルーシー・リーの最も質の高いコレクションの一つとして名高いが、エリザベス・フリッチやジオ・ポンティ、ケン・プライス等他の作家やドローイングもいくらか含まれている。

なんと個人のコレクションで、総額12億円にもなった。もちろん決済されずに残された作品もあるのでコレクション全部の価格はそれをはるかに上回るだろう。

ハンス・コパーとルーシー・リーに関して言えば、すべてが予想落札価格の7、8倍という値段がついたものもある。すべてが遥かに予想を超え、コパーとリーの作品が今だに大きな人気を誇っていることがわかる。

例えば、15日のブログの写真にある作品は、一番上から
1 白のドットのある花生け 630万
2 左から2つめの赤の掻き落とし花生け 500万
3 コパーの左の作品 656万
4 コパーの左、白のチューブ(キクラデスに分類される) 630万
5 リー、左の鉢 853万

などだが、コパーの砂時計形は2000万を超えている。ルーシー・リーもすべて、かつてない高額になってしまった。このうちのいくつかを日本の業者さんが買い入れてあるとしたらまた見る機会もあるかもしれないけれど、、、。これに美術品としての送料がかかるのでまあ、普通の人には手が出ない値段だ。

2009-11年のハンス・コパー展に出品されていたルーシー・リーの緑の鉢(金の口縁)と同じタイプの鉢はほぼ600万だ。お金がすべてではないけれど、それだけコパーとリーの作品に魅せられて手元におきたい人が多いということだろう。願わくは美術館に渡りますように。

オークションハウスにもよるけれど、実際コパーとリーの贋作もある。リー専門に作り続け、オークションハウスに人を介して持ち込まれる例もある。こればかりは信頼出来るハウスを通じて買うしかないけれど、リーとコパーのほぼ全作品を見ている確かな目を持つ担当者がフィリップスにはいる。だからスターンコレクションもここでオークションンにかけられたのだろう。

なんといってもコパーとリーが生きていたらこの結果に何と言うことだろう。二人の原点はあくまで「使える器」だったのだから。

ハンス・コパーとルーシー・リーの作品が見られる!

ひさびさの投稿がオークションの知らせというのは少し残念でもある。

しかし、みかたを変えればこれは世界で最も質の高いコレクションのひとつとして知られる、アメリカのベティー・リーとアーロン・スターンのコレクションを見ることのできるまたとない機会だ。それがオークションにかけられる。

リーとコパー、二人の作品がこれだけまとまって見られる機会はもうないかもしれない。

作品は典型的なかたちをほとんど網羅していて1950年代の初期から晩年にいたるまで、スターン夫妻の確かな目を堪能できる。特にコパーはディグズウェル時代のさまざまな形がそろっている。

ニューヨークのご自宅でその一部を拝見したことがあるが、そのコレクションのルーシー・リーとハンス・コパーの作品は、息をのむ美しさだった。窓辺の飾り棚に置かれたキクラデスの静謐な佇まい、リーの晩年の華麗なブロンズ釉。

2009年から2011年に日本で開催された初めてのハンス・コパー展にこのコレクションから借用する話もあったが、都合でかなわなかったものだ。もちろん実際にお借りした、イギリスやドイツの公的美術館、著名なコレクションからの作品はそれぞれ最も定評のある質の高さだった。

今回はコネティカットのご自宅にある全作品があらためて撮影され、立派なオークションカタログに掲載されている。

ところで。。。これらの作品には予定最低落札価格も掲載されているが、もちろん欲しいと思う人が多ければどんどん価格はつり上がる。また、これにハンマー手数料がかかるので実際には日本にもってくるにはかなりの値段になる。日本からもギャラリーやディーラーが多く押し寄せることだろう。これらの少しでも日本に来ることになれば良いけれど、、、と願いつつ。