フィリップスによるスターンコレクションのオークションが終わった。スターンコレクションはハンス・コパーとルーシー・リーの最も質の高いコレクションの一つとして名高いが、エリザベス・フリッチやジオ・ポンティ、ケン・プライス等他の作家やドローイングもいくらか含まれている。
なんと個人のコレクションで、総額12億円にもなった。もちろん決済されずに残された作品もあるのでコレクション全部の価格はそれをはるかに上回るだろう。
ハンス・コパーとルーシー・リーに関して言えば、すべてが予想落札価格の7、8倍という値段がついたものもある。すべてが遥かに予想を超え、コパーとリーの作品が今だに大きな人気を誇っていることがわかる。
例えば、15日のブログの写真にある作品は、一番上から
1 白のドットのある花生け 630万
2 左から2つめの赤の掻き落とし花生け 500万
3 コパーの左の作品 656万
4 コパーの左、白のチューブ(キクラデスに分類される) 630万
5 リー、左の鉢 853万
などだが、コパーの砂時計形は2000万を超えている。ルーシー・リーもすべて、かつてない高額になってしまった。このうちのいくつかを日本の業者さんが買い入れてあるとしたらまた見る機会もあるかもしれないけれど、、、。これに美術品としての送料がかかるのでまあ、普通の人には手が出ない値段だ。
2009-11年のハンス・コパー展に出品されていたルーシー・リーの緑の鉢(金の口縁)と同じタイプの鉢はほぼ600万だ。お金がすべてではないけれど、それだけコパーとリーの作品に魅せられて手元におきたい人が多いということだろう。願わくは美術館に渡りますように。
オークションハウスにもよるけれど、実際コパーとリーの贋作もある。リー専門に作り続け、オークションハウスに人を介して持ち込まれる例もある。こればかりは信頼出来るハウスを通じて買うしかないけれど、リーとコパーのほぼ全作品を見ている確かな目を持つ担当者がフィリップスにはいる。だからスターンコレクションもここでオークションンにかけられたのだろう。
なんといってもコパーとリーが生きていたらこの結果に何と言うことだろう。二人の原点はあくまで「使える器」だったのだから。
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