ウィーンの王立家具博物館にはエルンスト・プリシュケのデザインによるルーシー・リーの家具が展示されている。リーが結婚してウィーンのヴォルツアイレ通りのアパートに住んだ時、プリシュケに依頼して作らせたものだ。リーは、バウハウスに連なるデザインのその家具を、ロンドンに亡命してアルビオン・ミューズに工房兼住まいを構えたときにとウィーンから取り寄せ備え付けている。ウィーンからいったいどのように取り寄せることができたのか詳しくはわかっていないが、それらのシンプルな家具をリーは終世愛用した。 ルーシー・リーが亡くなってから、オーストリアの王立博物館はリーのアパートの部屋を再現しそれらの家具を展示している。リーの作品はたった一点、白の掻き落としの鉢がその部屋の前にケースに入れられ展示されている。
20世紀を代表する最も偉大な陶芸家として記憶されるルーシー・リーとハンス・コパー。そしてバーナード・リーチ。その作品と彼らに関わった人たちのこと、そして見聞きした展覧会のあれこれを思い浮かぶままに。ルーシー・リーとハンス・コパーの作品を愛するひとへ。