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Showing posts from August, 2012

ルーシー・リーの伯父サンダー

ルーシー・リーに強い影響を与えた人物の一人にサンダー伯父がいます。
ルーシーの母親、ギーゼラの兄にあたるアレキサンダー・ヴォルフ(1871-1946、サンダー伯父)です。

ギーゼラの実家はオーストリアのブルゲンラント州の州都、アイゼンシュタットで手広くワイン製造を行っており裕福で影響力を持つ一家でした。そこで家督をついだ兄二人のうち、一人が美術品の収集をし、旅行家であり、高い審美眼を持っていたサンダーでした。彼は、実家ヴォルフ邸をヴォルフ博物館として公開し、一時期はヨーロッパで一番重要な、ユダヤ人関連のコレクションを持つ博物館と見なされていました。所蔵品はもちろんユダヤ人関連に限らず、ローマ時代の発掘品である陶器など広く美術品を26,000点余集めていました。

ナチスの台頭でサンダー伯父やいとこはハイファに逃れ、そのヴォルフ邸はナチスに没収され、その司令部となりましたが、戦後サンダーはオーストリアにもどるつもりのないことを手紙で告げ、現在サンダーのコレクションを元にブルゲンラント州立博物館となっています。

ルーシーは従姉と共にサンダーに連れられてヨーロッパを旅し、スイスのチロルでスキーにも興じています。伯父に見せられたローマ時代の陶器を折に触れて目にしていたルーシーはそれらに強い興味を持ち、考古学に惹かれたようです。

ルーシー自身が語っていたようですが、サンダー伯父の写真を見ると驚くほどルーシーは伯父に似ています。その目や鼻、口、すべてルーシーにサンダー伯父の面影を見ることができます。

サンダー伯父はハイファに逃れた後1946年1月2日に亡くなりました。その頃ルーシーはロンドンのアルビオン・ミューズに工房をかまえてボタンだけでなく、ようやく自分の作品を作リ始めていました。