ヨーロッパの空が火山灰で覆われている。経済的な損失が計り知れ ないと新聞に出ているが展覧会にも大きな影響がでている。 ロンドンのギャラリー、 ギャルリ・ベッソン のオーナー、アニータ・ ベッソン氏のフライトがキャンセルされたという。 彼女は国立新美術館でのルーシー・リー展でルーシー・リーの 想い出を語る事になっていた。その前に信楽のハンス・コパー展も 訪れる予定だった。 他にも関係者の飛行機が次々キャンセルになり来日できない 状態になっている。ルーシー・リー展のオープンは28日ということ なのでそれまでにフライトの再開ができることを願うばかりだ。 滋賀の陶芸の森美術館でのハンス・コパー展と国立新美の ルーシー・リー展との両方を見るためにヨーロッパからも多くの 美術館関係者、コレクター、陶芸、建築、彫刻関係のアーティスト や研究者が来日を楽しみにしている。 ハンス・コパー展とルーシー・リー展は他の美術館に巡回するので また来日予定を変更すれば良いのだが国立新美のオープニングに 合わせて計画していた関係者やイベントレクチャーなどは本当に 困っているだろう。 反対に日本からヨーロッパに帰れない人たちもいる。 ハンス・コパー展に合わせて来日し、陶芸の森で コパーについての 講演 を行ったイギリスの陶芸家アリソン・ブリトン氏も果たして 帰国のフライトが予定通りなのかわからない状態だ。彼女は大学で 教えているので期日に帰れないと影響が大きいことだろう。 もちろん人の仕事や内容に優先順位はないけれど。 航空規制が解かれるのが一番最後になるだろうといわれるのが イギリスとはルーシー・リー展にとってなんとも災難で 関係者が気の毒だ。けれど講演はまたあらたに予定することが できるだろう。いのちに係わることが起こったわけでないのは 幸運なことだと考えるしかないのかもしれない。
20世紀を代表する最も偉大な陶芸家として記憶されるルーシー・リーとハンス・コパー。そしてバーナード・リーチ。その作品と彼らに関わった人たちのこと、そして見聞きした展覧会のあれこれを思い浮かぶままに。ルーシー・リーとハンス・コパーの作品を愛するひとへ。