「ハンス・コパー、ルーシー・リーとその継承者たち」展 Gardiner Museum in 2002 見事な作品群でしょう! カナダのガーディナー美術館でのルーシー・リーとハンス・コパーの展覧会 展示風景です。 欧米の美術館は特別展でない限り写真を撮って良いところが多いですが、 この時はオープニングレセプションだったので広報の意味も大きかったのだと 思います。これほど濃縮された空間を撮ることができてラッキーでした (腕が良ければもっと良かったのですが)。 一点一点をゆとりをもって見せるのも(基本的にはそうあるのが 望ましいと思います)すばらしいですが、狭いスペースに数を並べると いうディスプレイも、見る人を圧倒させる力があるものだと感じました。 ルーシー・リーは晩年になるほど華麗な色あいの作品が増えます。彼女 が生まれ育った時代、エゴン・シーレやクリムトが活躍した大きな芸術の うねりの中のウィーンが色濃く出ているように思えます。 日本の美術館でのコレクションに彼女の作品がかなり増えてきているようです。 上の2枚にある作品についてはいつか又書きたいと思いますが、今回は 一番下の、ルーシー・リーの作品について。 一番右の高台の高い鉢は東京近代美術館で最近購入した作品と同じタイプ です。その左のグリーン釉薬にブロンズの鉢は今静岡アートギャラリーで 展示されている杉山コレクションとおそらく同じものです。 その左、薄エメラルドグリーンの背の高い花生けは日本で見かけたことは まだありません。同じタイプの真っ白の花生けがロンドン郊外のノリッチ にあるセインズベリー視覚芸術美術館に所蔵されています。盛り上がったドット 模様のスタイリッシュで暖かい魅力のある作品です。 手前のフェルール文様(筆の金輪でつけた模様)の鉢は同じタイプが やはり静岡で展示されています。信楽の「静寂の美」展で人気が高かった 美しい色合いです。 その左の象嵌の鉢もルーシー・リーの典型的な技法の一つです。 エイブベリーの博物館で先史時代の鳥の骨で描いた器を見たことで この模様を始めたということですが、より複雑な編み目模様の鉢があります。 白釉薬を掻き落としマンガン釉薬を象嵌した内側、外側はマンガン釉の 掻き落としを施した作品なども数多く残しています。 ルーシー・リーの器は静かな...
20世紀を代表する最も偉大な陶芸家として記憶されるルーシー・リーとハンス・コパー。そしてバーナード・リーチ。その作品と彼らに関わった人たちのこと、そして見聞きした展覧会のあれこれを思い浮かぶままに。ルーシー・リーとハンス・コパーの作品を愛するひとへ。